でも実は、革靴も、スニーカーと同じようにカジュアルスタイルの足元に合わせることが出来るのです。
むしろ、コーディネートをドレスアップさせるアイテムとしてなら、スニーカーより頼もしいぐらいです。
カジュアルスタイルに合わせることで、ドレスとカジュアルのバランスが取れたお洒落コーデが完成する「カジュアル革靴」。スニーカーと同じように、お洒落メンズのマストハブと呼べるかもしれません。
そういうことで、今回の記事では、カジュアルスタイルを引き締めてくれる革靴(以下、カジュアル革靴)にフォーカスしまして、カジュアル革靴の選び方やオススメモデルを紹介していこうと思います。
「カジュアルコーデに合う革靴が欲しい」
「仕事用革靴と休日用革靴の違いは何?」
「私服もキチッとしたいけど、仕事靴だと堅苦しくて・・・」
そんな悩みや疑問をお持ちの方のお手伝いができれば幸いです。
カジュアル革靴ではない代表格、黒の内羽根ストレートチップ(黒)
まず初めに、カジュアル革靴として 選んではいけない 革靴の代表「黒色の内羽根ストレートチップ」を紹介します。つま先に1本線の装飾がある内羽根ストレートチップは、ビジネスシーンは勿論のこと、冠婚葬祭といったフォーマルな席でも着用可能な一足です。社会人の必需品といっても過言ではありませんね。
そして、この内羽根ストレートチップは、カジュアルシーンでの着用に基本的に向いていません。
別にカジュアルシーンで履いても大丈夫と言えば大丈夫なのですが、
「ちゃんとしている感」
「仕事向きのフォーマルさ」
が強すぎて、足元だけ浮いてしまうアンバランスなコーディネートになってしまうのです。
カジュアル革靴の選び方
ここからは、内羽根ストレートチップ(黒)というフォーマル靴を踏まえた上で、カジュアル革靴の選び方を解説していきます。カジュアル革靴を選ぶときのポイントは大きく分けて2つ。
- 「外羽根」の靴を選ぶこと
- カジュアル向きの「つま先のデザイン(形、装飾)」を選ぶこと
1. 外羽根の革靴を選ぼう
まず初めに、カジュアル革靴を選ぶときは「外羽根」の革靴を選ぶようにしましょう。外羽根とは、靴ひもを通す穴があるパーツ(羽根)の一種。1815年に起きたワーテルローの戦いで採用された「軍靴のデザイン」に起源があるとされています。
つまりミリタリー系の血筋である外羽根は、カジュアルシーンと相性がいいディティールなのです。
ちなみに内羽根は、英国王室の宮廷革靴に長く採用されてきた歴史があるため、内羽根=フォーマルという扱いをされています。
2. カジュアル向きの、つま先のデザインを選ぼう
カジュアル革靴を選ぶときの2つめのポイント。それは、つま先のデザインです。つま先のデザインを構成する要素はざっくり2つ「形」と「装飾」です。
2-1. 形は、丸みを帯びたシルエットのものを
基本的に革靴は、つま先の形(シルエット)が、ぽてっと丸みを帯びている方がカジュアルな印象になります。上のコンテンツで「外羽根=カジュアル」と解説しましたが、昨今はビジネススタイルのカジュアル化によって、この写真(↑)のようにつま先が細いデザインなら、外羽根の革靴でも冠婚葬祭で着用できるようになってきました。
2-2. 装飾は、「プレーントゥ」や「ウィングチップ」「Uチップ」がオススメ
基本的に革靴は、つま先の装飾が多いほどカジュアルな印象になります。特に「ウィングチップ」と「Uチップ」は、どちらもカジュアルシューズに採用される装飾なので、選ぶだけでカジュアルレベルがグッと上昇します。
「外羽根」「つま先の丸み」の両方でカジュアル靴らしさを担保していれば、「プレーントゥ」や「ストレートチップ」を選んでも堅苦しくなることはないため、つま先の装飾に関しては、割と選び皆さんの好みに従っていい部分でもあるのです。
+α.色・と素材の選択肢は多い
ブラック以外の色(ライトブラウンやボルドー etc.)を選んだり、シワ感のある革素材を選んだりと、色や素材の選び方でもカジュアル感を高めることができます。スエード素材自体がカジュアルなのですが、このモデルに関しては、ソール(靴底)とステッチ(縫い糸)に「スエードと違う色」を選ぶことで、更にカジュアルレベルを上げています。
ブラックで、光沢のあるカジュアルシューズも山ほどあるからです。
色と素材に関しては、仕事靴よりも好きに・自由に選べるという点がポイントだと言えますね。
おすすめのカジュアル革靴20選
ドクターマーチン(Dr.Martens)|当時のモデルを再現した渾身のヴィンテージモデル
発売当時のデザインを忠実に再現した、ヴィンテージモデルの1足です。
製造場所も、当時と同じ“革靴の聖地”こと英国ノーサンプトン州での職人に任せるなど、こだわりの再現具合。ステッチのイエロカラーや、分厚いソールなど、無骨なカジュアル感に仕上がっています。キレイ目のスラックスをドレスダウンさせるのも良し、タフでラフなジーンズと合わせるも良しです。
製造場所も、当時と同じ“革靴の聖地”こと英国ノーサンプトン州での職人に任せるなど、こだわりの再現具合。ステッチのイエロカラーや、分厚いソールなど、無骨なカジュアル感に仕上がっています。キレイ目のスラックスをドレスダウンさせるのも良し、タフでラフなジーンズと合わせるも良しです。
38,500円
マネブ(MANEBU)|スケートボード文化のテイストを加えた上品&軽快な一足
19,580円
全体的に丸みを帯びていることに加えて、「高さというボリューム」も低く設計されたカジュアル革靴です。
凄い軽快な印象に仕上がっています。靴底も、スタンスミスなどのテニススニーカーと同じフラットなソールを採用。どちらかというと、革靴よりも上品なレザースニーカーと言った方が適切かもしれませんね。
凄い軽快な印象に仕上がっています。靴底も、スタンスミスなどのテニススニーカーと同じフラットなソールを採用。どちらかというと、革靴よりも上品なレザースニーカーと言った方が適切かもしれませんね。
大塚製靴|明治5年から続く“靴づくり”の技術で仕立てた、“ぽて顔”の外羽根シューズ
41,800円
ほどよく「ぽて顔」に仕上げられたカジュアル革靴です。仕立てたのは明治5年から紳士靴を作り続ける『大塚製靴』。日本最古の紳士靴ブランドです。
非常にスリムに見える仕上がりなのですが、この顔をしながら実は「3E設計」。
外羽根であることも手伝って、幅広タイプの方でも安心しで履くことができます。
土踏まずの部分をグイッと引き上がっているので、学生時代に野球スパイクやサッカースパイクと青春を共にした人にとっては“懐かしい一体感”かもしれません。
大塚製靴の最上級ライン「M-5」と同じレザーを採用。
履き下ろして直ぐ履き心地が柔らかいだけでなく、履き込むほどに「いいシワ」が入るのも特徴です。ビジネスシーンでは勿論のこと、カジュアルコーデのドレスアップにも活躍してくれますよ。
履き下ろして直ぐ履き心地が柔らかいだけでなく、履き込むほどに「いいシワ」が入るのも特徴です。ビジネスシーンでは勿論のこと、カジュアルコーデのドレスアップにも活躍してくれますよ。
大塚製靴|タフでエレガント。そしてクッショナン性◎な “セミドレスシューズ”
39,600円
日本最古の紳士靴ブランド『大塚製靴』から、ぽて顔シルエットをもう一足ご紹介。
ロングセラーモデルである「レザースニーカー」の内部構造をベースに、
- ほどよくドレッシーな「外羽根プレーントゥのデザイン」
- クッション性◎なヴィブラムソール
1つ上で紹介したモデルよりも、もう少しカジュアルなスタイルに寄せているのがポイント。
「キチッと感と共に、タフな印象を足元に合わせたい」そんな方にオススメですよ。
「キチッと感と共に、タフな印象を足元に合わせたい」そんな方にオススメですよ。
リーガル(REGAL)|履き心地・歩き心地が最高峰のコンフォートシューズ
20,570円
立て続けに取り上げるのは、日本革靴の王道ブランド『リーガル』。今回はそんなリーガルのが展開するシリーズライン「リーガルウォーカー」から一足ピックアップ。それが、こちらの革靴スニーカー「JJ23」です。
ぽてっとした(ややぽちゃ)シルエットの中に
- 履き口のクッション
- ライニングの吸湿性マテリアル
- ゆったり3E設計
- 足に沿った立体設計
最近の「ビジネススタイルのカジュアル化の波」に乗ったモデルなのかと思いきや、実は1998年から発売され続けている、ロングセラーモデルです。
レッドウィング(RED WING)|1954年から愛され続ける通称:郵便局員の靴
42,350円
1954年に発売されて以降、全米の郵便配達員が履くようになったことで「ポストマン・シューズ」と呼ばれるようになったカジュアル革靴です。
郵便局員の歩行をサポートする「機能」と、公務員が着用する物に求められる「フォーマル感」のバランスが絶妙です。一般的な革靴よりも分厚いソールはラバー製で、足への負担をしっかり軽減してくれますよ。
オールデン(ALDEN)|革のダイヤモンド・コードバン採用モデル
150,000円〜
“革のダイヤモンド”と称される超希少素材・コードバンを使用した、オールデンのカジュアル革靴です。
写真の比較でも伝わる通り、とにかく革の艶感が段違い。ビジネスシーンからカジュアルシーンまで様々なコーディネートの足元を上品にまとめ上げてくれます。
希少素材×超人気アイテムなので、在庫が薄いのが基本。
お財布に余裕がある時に、マイサイズに出会ってしまったらそれはもう運命。確保しちゃいましょう!
お財布に余裕がある時に、マイサイズに出会ってしまったらそれはもう運命。確保しちゃいましょう!
クラークス(Clarks)|伝統技法×機能素材でお洒落な歩行ライフを
コンフォート靴の代名詞とも言える『クラークス』の歴史的名作・ワラビー。
イギリスの代表的タンナーが生産するスエードレザーを使用したカジュアル革靴です。
袋縫いで足を包み込むのモカシン構造と、肉厚なクレープソールを採用することで、スニーカー以上と言っても過言ではない履き心地の1品に仕上がっています。
17,499円
パラブーツ(Paraboot)|フランス国民に愛されるブランドの代表作
79,200円
「大人になったらパラブーツを履け」とフランスの家族では父親から教えてもらうなんて話があるほど、フランス国民に愛されているブランド『パラブーツ』のカジュアル革靴です。
ソールの分厚さやUチップの盛りあがりから分かるように、かなりカジュアルな一足です。
ジャケパンスタイルなど、キレイ目なコーデをあと少し崩したいときに、ピッタリな選択肢ですね。
クレマン(KLEMAN)|フランスの人気ワークシューズブランドの定番
79,200円
ミリタリースペックに沿ったワーキングシューズでお馴染み、フランスの『クレマン』が仕立てるカジュアル革靴です。
カジュアルの定番装飾であるUチップを、上品な美光沢のあるレザーで形作ることで、休日コーデは餅音、ビジネスカジュアルのコーディネートにもマッチする、絶妙なカジュアル具合を演出してくれます。
ジャランスリウアヤ(Jalan Sriwijaya)|手縫い靴を3~4万円で購入できる奇跡のブランドのローファー
37,400円
本格手縫い靴を3~4万円代で購入できる奇跡のブランド『ジャランスリウァヤ』のカジュアル革靴です。
フレンチのテイストが加えられたローファーで、一年を通して、様々なコーディネートをさせてくれる王道のデザインに仕上がっています。
足馴染みの良さ、ソール交換可能による使用年数の長さなど、手縫い靴の良さがこれでもかと活かされていますね。
ボンステップ(Bon Step)|創業明治5年ファクトリーが、令和男児のために
29,700円
明治5年から日本人の足を支えてきた日本最古の紳士靴メーカー「大塚製靴」のカジュアル革靴です。
着脱が楽なスリッポンタイプに、日本人の足を立体的にホールドする立体設計や雨を弾く撥水性レザー、滑りにくいソールを採用した、最高級の歩き心地が特徴です。
いわゆるローファーなので、ビジカジスタイルにも採用しやすいのが嬉しいですよね。
大塚製靴|NHKでも特集された日本最古の紳士靴ブランドから、カーフ×スエードの上品カジュアル
88,000円
日本最古の紳士靴ブランド『大塚製靴』が仕立てた、レザーコンビ・ウィングチップです。
写真で分かるように、「艶のあるカーフレザー」と「起毛素材であるスエードレザー」とを組み合わせているのが最大の特徴。
スエードレザーの素材感のおかげで革靴としてはかなり“柔らかい印象”に。しかし、上品さや気品をキープできるよう、カーフレザー素材と組み合わせたり、羽根周りの仕様を「内羽根」にしたりと、絶妙なバランス感の上に完成した一足と言えます。
明治5年から150年近く「日本人の足の形」を研究してきた大塚製靴のノウハウが投入され、雑誌などのメディアで注目されている「疲れにくい履き心地」を実現していますよ。
リーガル (REGAL)|アメトラ感抜群な、ロングセラーモデル
29,000円
つま先のW字装飾が、かかとまでロングに繋がっている「ロングウィングチップ」。
手掛けたのは日本革靴の王道である『リーガル』です。約40年前に、既に販売されていたモデルを日本人の足向けに改良したことで誕生(※リーガルは元々アメリがの靴ブランドだったりします)。それ以降ずぅー……っと売れ続けている名作シューズです。
手掛けたのは日本革靴の王道である『リーガル』です。約40年前に、既に販売されていたモデルを日本人の足向けに改良したことで誕生(※リーガルは元々アメリがの靴ブランドだったりします)。それ以降ずぅー……っと売れ続けている名作シューズです。
ブローグ系シューズらしい穴装飾(ブローギング)や外羽根仕様など、カジュアル要素が盛り盛りなのですが、つま先がシュッとしているため、これでいて上品な印象があるのが特徴です。
チャーチ(CHURCH’S)|1873創業の老舗ファクトリーのカジュアル革靴
98,000円
1873年に創業した老ファクトリー『チャーチ』のカジュアル革靴です。
チャーチの歴史の中でも人気を集めた「つま先のシルエット」を現代風にアレンジしたもので、ポリッシュバインダーカーフレザーの高級感も会いまって非常に高い満足感に仕上がっていますお値段も“なかなか”の物ですが、気合を入れた一足をお探しの時は、是非チェックしてみて下さいね。
チャーチの歴史の中でも人気を集めた「つま先のシルエット」を現代風にアレンジしたもので、ポリッシュバインダーカーフレザーの高級感も会いまって非常に高い満足感に仕上がっていますお値段も“なかなか”の物ですが、気合を入れた一足をお探しの時は、是非チェックしてみて下さいね。
バーウィック(Berwick)|! スペインの高コスパブランドは革靴初心者にもオススメ
33,000円
革靴初心者にもオススメなスペインの革靴ブランド『バーウィック』のカジュアル革靴です。
最新機材の導入や素材の大量調達など、合理的な生産体制によるリーズナブルな価格設定が最大の魅力です。透明感と艶のあるコーティングレザーと、軽量&高耐久なビブラムソールを合わせることで、ドレス感と履き心地を高い次元で融合させた一足に仕上がっていますよ。
最新機材の導入や素材の大量調達など、合理的な生産体制によるリーズナブルな価格設定が最大の魅力です。透明感と艶のあるコーティングレザーと、軽量&高耐久なビブラムソールを合わせることで、ドレス感と履き心地を高い次元で融合させた一足に仕上がっていますよ。
あとがき
以上、カジュアル革靴の選び方からオススメモデルまでを紹介・解説しました。参考になりましたでしょうか。
カジュアルスタイルの足元をビシッと上品に大人らしく、まとめてくれるカジュアル革靴。
是非、みなさんの理想に近い一足を見つけて、コーディネートをアップグレ―ドして下さいね。
『明治生まれの靴博士』編集部の玄木がお送りしました。
ではでは。