有線イヤホンのおすすめ人気ランキング18選【2023年8月徹底比較】
ワイヤレスイヤホンが主流の今でも、音質が安定している点やなくしにくいという点で根強い人気がある有線イヤホン。ShureやSennheiser、finalなど、たくさんのメーカーから幅広い価格帯の商品が販売されています。しかし、肝心の音質は聴かないとわからず、どれを選べばよいか迷ってしまいますよね。
今回はAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどで売れ筋上位の有線イヤホン18商品を比較して、最もおすすめの有線イヤホンを決定します。
比較検証は以下の2点について行いました。
- 音質
- 機能性
検証のポイント
検証① 音質
まずは、有線イヤホンにおいて最も重要な音質の検証です。音質を「低音・ボーカル・楽器・解像度・臨場感」の5項目でチェックしました。検証に使用した再生機器・再生ツール・試聴曲は以下のとおりです。楽曲は、イヤホンの音質を多角的に評価するため、4つの異なるジャンルから選択しました。<再生機器>Xperia 5 Ⅲ<再生ツール>Amazon Music Unlimited<試聴曲>米津玄師 – Lemon <J-POP 男性ボーカル、複数の楽器の音色>宇多田ヒカル – あなた <J-POP 女性ボーカル、声色の高い歌声と抑揚>Diana Krall – California Dreamin’ <ジャズ、心地よい歌と楽器の調和(歪みのない自然な音色か)>ヴィヴァルディ – 四季 <クラシック、生楽器の艶やかさ(楽器の音色が細かく聴こえるか)>これに加えて、ダミーヘッドマイクでの測定も実施。以下の方法で、各商品の周波数特性をデータ化し、分類しました。<計測方法>有線イヤホンをスマホに接続したのち、ダミーヘッドマイクの耳に装着。スマホから測定用のピンクノイズを流し、その音を分析ソフトでチェックします。そこから、各商品の周波数特性を分析し、音の傾向を3つのタイプに分類しました。<使用したPC>ASUS「UX534F」<使用したスマホ>Xperia 5 Ⅲ<使用したダミーヘッドマイク>サザン音響「SAMAR Type4500HR」<使用したソフト>DSSF「RA」
検証② 機能性
続いては、機能性を評価します。せっかく有線イヤホンを選ぶなら、使い勝手のよいものがほしいですよね。今回は以下の項目をチェックし、搭載されている機能が多いものほど高評価としました。リケーブルできるか耳掛けに対応しているかハイレゾに対応しているか純正ケーブルに音量調整・再生停止ボタンはあるか
1980年代初頭に登場し、かつては人気を集めた有線イヤホン。しかし2016年にワイヤレスイヤホンが登場したことで、影が薄くなりつつあります。そんな今でも最新商品は続々と登場しており、根強い人気がある商品です。今でも有線イヤホンを選ぶメリットは大きく分けて2つあります。
1つ目は、電池切れを気にせず使い続けられること。デバイスにつないでいる限り使えるので、自宅でのテレワークや外出先での長時間の作業におすすめです。
2つ目は、通信による遅延や音の途切れがないこと。デバイスとケーブルで直接つながっている有線イヤホンは、ワイヤレスイヤホンを使うときに気になる遅延や音の途切れがないので、音ズレを気にせずにリズムゲームをプレイできますよ。
有線イヤホンはワイヤレス伝送による音の圧縮がない分、音質の劣化を最小限に抑えられるのも大きなメリットです。
安定した音質で再生できるので、音のよしあしがクオリティを左右する楽曲制作にもおすすめですよ。
有線イヤホンの価格は、使われる素材や構造によってさまざま。高価格の商品ほど、ケーブルやドライバーなどに使用する素材にメーカーのこだわりが反映されるので、個性が強いモデルが多い傾向があります。個性が強いと、得意なジャンルや音質の特徴が細かく分かれ、聴く人の好みも分かれやすくなります。
一方、5,000円前後で購入できるアシダ音響「EA-HF1」は、強い個性こそないものの楽曲のジャンルを選ばず聴きやすい音質でした。安価なイヤホンでも2万円台の商品と同等以上の音質のものもあり、はじめてのイヤホンにおすすめです。
このように、「高いイヤホン=高音質」とは限りません。はじめは、さまざまなジャンルの楽曲に合う安価な有線イヤホンを選ぶのがおすすめです。徐々に自分の好きな音質を突き詰めた高価なイヤホンを探すとよいでしょう。
有線イヤホンの選び方
有線イヤホンを選ぶ際に必ずチェックしておきたい「4つのポイント」をご紹介します。
① イヤホンごとに得意な音は異なる!好みの音のイヤホンを選ぼう
有線イヤホンを買ううえで、まず気になるのが音質。しかし、ひとくちに音質といってもよく聴く楽曲や好きな音も人それぞれ。どれを選んだらよいか迷いますよね。
専門機(ダミーヘッドマイク)による測定で、イヤホンの音の特性を徹底的に検証。その結果から、ドンシャリ・かまぼこ・フラットと大きく3つに分類しました。3種類の音の特性から、とくに高音質な機種をピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
低音と高音が強調されているのがドンシャリ。楽曲をノリよく楽しめるのが特徴で、ロックやEDMにぴったりの特性です。ドンシャリのなかで音質が最もよかったのはアシダ音響の「EA-HF01」。パワフルでまっすぐ伸びる低音がほかのイヤホンよりも優れていました。
ボーカル重視かつ、低音と高音がマイルドで聴きやすいサウンドが特徴のかまぼこ。ボーカルの歌声が該当する中音域が強調されており、アニソンやポップスに合うサウンドといえます。おすすめのイヤホンはAppleの「EarPods with 3.5mm Headphone Plug」。ナチュラルで聴きやすいボーカルが特徴的です。
どの帯域もほぼ均等に出るように調整されたフラット。強調された帯域がないため、波形が平らに見えることが由来です。自然でさまざまなジャンルに合うサウンドで、おすすめのイヤホンはSennheiserの「IE 300」。楽曲の音を隅々まで鳴らしきる再現性の高さが魅力のイヤホンです。
3つの特性のなかでも、個人的におすすめなのはフラットです。細かい音まで鳴らしきるので、ジャンルを選ばず幅広い楽曲に合います。
あとのランキングでは、商品ごとに測定した音の特性を掲載しているので、ぜひ好みの楽曲に適した特性のイヤホンを選んでみてくださいね。
② できるだけ長く使いたい人は、リケーブル対応のモデルを選ぼう
有線イヤホンを使っていると、ケーブルの断線によって片側の音が急に出なくなる、音が途切れて聴こえづらいといったことが起こりがち。本体はまだ使えるのに、断線が原因で買い替えるのはもったいないですよね。
イヤホンを長く使いたいなら、断線したケーブルをとりかえられるリケーブル対応のものがおすすめ。リケーブルは、元のケーブルを外して新しいケーブルをつけるだけ。専門的な知識がいらないので、初心者でも簡単にとりかえられますよ。
有線イヤホンを使っていくと、いつか直面することになるケーブルの断線。リケーブル対応ならイヤホンを長く使えるので、愛着が湧きますよ。
リケーブルの際に大切なのは、対応しているイヤホンのコネクタを確認すること。コネクタが合っていないと、ケーブルをとりかえられません。
また、同じコネクタでもケーブルによっては太さが異なります。細いケーブルを選ぶとイヤホンの取り回しの改善にもなるので、気になる人は試してくださいね。
③ ケーブルの擦れる音が気になるなら、耳掛け対応モデルを選ぼう
タッチノイズを軽減させたい人は、耳掛け対応モデルがおすすめ。耳の形に沿ってイヤホンが固定されるため服に擦れにくくなるほか、本体が固定されて音質が安定します。没入感も高まるので、とくにこだわりがなければ耳掛け対応モデルを選びましょう。
耳掛け対応の商品ではない場合でもイヤーフックを使えば耳掛けが可能。ケーブルにはめるだけなので、簡単に装着できますよ。
④ 会議や通話で使うなら、マイク搭載のモデルを選ぼう
多くのマイク付きイヤホンは、マイクが声を拾いやすい箇所についているので、イヤホンをデバイスにつなげるだけで会話がスムーズに。別でマイクを用意しなくても、よりよい音質で通話できますよ。また、リケーブル対応のイヤホンであればマイクを搭載していない商品であっても、マイク付きのケーブルに変更が可能。通話するときはマイク付きのケーブルにとりかえて使用できるので、幅広い使い方ができます。
私のようなエンジニアは、メーカーがマイクからスピーカーまで作っているかどうかでイヤホンを選びます。入力機器も出力機器も作れるメーカーは、「出したい音」が明確で、そのメーカーの他機種でも同じ傾向の音が出ることが多いためです。
入力と出力を手掛けられるというのは音作りにおいてとても重要なので、音質にこだわりたい人はメーカーもチェックしましょう。
finalE3000C | FI-E3DSSC
- イヤホン形状
- カナル型
- リケーブル対応
- –
- コネクタ
- –
- ケーブルの長さ
- 1.2m
きれいなボーカルだが、それ以外の表現が苦手なサウンド
日本のオーディオメーカー、finalの「E3000C」。最新の音響工学、心理学の研究成果をふまえ、音質設計を行った商品です。型番についているCは、マイク付きのモデルであることを表わしており、マイクのないモデルと音質の差はありません。
音質の検証は、バランスのよい低音と、伸びやかでキツさのないボーカルが魅力的でした。とくに女性ボーカルの表現に長けており、声がはっきりと届くので聴きやすさを感じました。
一方で、楽器の表現をするには少しパワー不足で、オーケストラなどの弦楽器の細やかな再現ができていません。また、音の厚みや響きなどの表現力に欠け、楽曲の中で再生されている音を拾いきれず、解像度の低さが気になりました。音の特性はかまぼこ寄りのフラットで、あくまでボーカルが中心。空間が狭く臨場感の少ないサウンドでした。
機能面では、再生停止ボタン付きのマイクが付属しています。耳掛けに対応していませんが、イヤーフックが付属し、耳掛け型として使用も可能。また、ハイレゾ音源の再生ができます。
SennheiserIE 300
- イヤホン形状
- カナル型、耳掛け型
- リケーブル対応
- ◯
- コネクタ
- MMCX(SENNHEISER用)
- ケーブルの長さ
- 1.25m
音の密度が高く、臨場感あふれるサウンド。使い勝手も良好
1945年に設立されたドイツのオーディオメーカー、Sennheiser(ゼンハイザー)の「IE 300」。コンピューター解析と試聴を繰り返して開発された振動板を搭載し、高音質を実現したと謳っています。
音質は、厚みがあり臨場感のある重低音を筆頭に、複数鳴っている楽器の再現性や声の質感の表現に長けており、クオリティの高さを感じました。音の細かさと密度感があり、音楽への没入感に優れています。
音の特性はフラットで、音のキレと密度、そして緻密な音の再現力を兼ね備えています。さまざまなジャンルを過不足なく鳴らしきれるサウンドといえるでしょう。
機能性は、リケーブル対応で断線しても交換ができます。ケーブルは耳掛け型でタッチノイズが入りにくく、音質が安定しやすいのもメリット。ハイレゾ音源に対応していないものの、使い勝手は良好です。
迫力と緻密さを兼ね備えたサウンドだけでなく、十分な機能性をもった有線イヤホン。トップクラスのサウンドを求める人におすすめです。
SennheiserIE 100 PRO
- クリア
- イヤホン形状
- カナル型、耳掛け型
- リケーブル対応
- ◯
- コネクタ
- Pentaconn Ear 異形(ロング)
- ケーブルの長さ
- 1.3m
細やかな表現で、楽曲を細部まで再現するクオリティが魅力
ドイツ発の世界的オーディオメーカー、Sennheiser(ゼンハイザー)の「IE 100 PRO」。ライブやDJのモニター用途として作られたイヤホンです。新開発のシングルダイナミックドライバーを使用することで、調和のとれたサウンドを実現したと謳っています。
音質は、メーカーが謳うとおり、音のバランスに優れているうえ、繊細な音もしっかりと再現されていました。引き締まった低音によりドラムの細やかな響きを捉えられるほか、ボーカルの表現が女性男性問わず非常にクリア。測定した音の特性はフラットで、低音から高音にかけて、すべての帯域において強調感のない細かな表現ができる音質でした。
機能面では、耳掛け部に針金が入っており、耳の形状に沿ってしっかりと固定できる点が便利。ケーブルが動きにくくなるのでタッチノイズも気にならず、リケーブル可能なので断線時も交換できる点に利便性を感じました。コネクタはPentaconn Earを採用しています。モニタリング用としても優秀なうえ、楽曲を細部まで楽める汎用性が高い商品といえます。
JVCケンウッドJVC | HA-FD02 | HA-FD02
- イヤホン形状
- カナル型、耳掛け型
- リケーブル対応
- ◯
- コネクタ
- MMCX
- ケーブルの長さ
- 1.2m
引き締まった高解像度サウンド。ハイレゾにも対応
多種多様なオーディオ製品を展開する、JVCケンウッドの「HA-FD02」。雑味のないクリアな音質を実現するため、ボディにステンレス素材を使用したと謳っています。
音質は、全体的に引き締まっていて、ハキハキとした質感が特徴的でした。高音域がやや強調されたドンシャリ寄りの音の特性を持っています。解像度が高く中高域が伸びやかなので、ボーカルの声の質感や弦楽器の響きなど、細かい部分まで楽曲を楽しめるでしょう。
低音は引き締まりつつ迫力もあり、全体的に広がりのあるサウンドと相まって臨場感にあふれていました。解像度と臨場感を兼ね備えた、優れた音質です。
機能面では、イヤホンのノズルが360度回転するため、耳掛けだけでなく通常の掛け方も可能。リケーブル対応で、万一断線しても交換できるのが便利です。リケーブルはMMCXコネクタに対応しているうえ、ハイレゾにも対応しており、機能性も優秀といえます。
水月雨Aria Snow Edition
- イヤホン形状
- カナル型、耳掛け型
- リケーブル対応
- ◯
- コネクタ
- IEM 2pin
- ケーブルの長さ
- 1.26m
ボーカルの美しさが際立つ、ナチュラルで聴きやすい音質
2015年に設立された中国のオーディオメーカー、水月雨の「Aria Snow Edition」。2021年5月に発売された「Aria」よりも、繊細で透明感のある音を目指して作られました。ボディには金属の質感を際立たせるコーティングと雪の結晶を模した複雑な模様がプリントされているのが特徴です。
音質の検証では、ナチュラルで伸びやかな歌声が特徴的で、ボーカルの美しさを感じるほどの再現性がありました。全体的に解像度が高く、クリアな音質を楽しめます。音の特性はフラット寄りのドンシャリで、聴きやすさを感じました。
低音は引き締まっていて自然なサウンドを支えており、長時間音楽を聴く場合でも聴き疲れしにくい音質といえます。
機能性は、リケーブルに対応しており、ケーブルのコネクタはIEM 2pinを採用しています。耳掛け型でタッチノイズが入りにくいのもメリットです。イヤホン本体での操作やハイレゾには非対応ですが、有線イヤホンとして十分な機能性を備えています。
ShureAONIC 215 | SE215DYBL+UNI-A
- イヤホン形状
- カナル型、耳掛け型
- リケーブル対応
- ◯
- コネクタ
- MMCX
- ケーブルの長さ
- 1.27m
自然で細やかなサウンド。没入感を味わいたい人におすすめ
スタジオ用のオーディオ機器メーカーとして有名な、Shureの「AONIC 215」。2012年に発売された同社の人気モデル「SE215 Special Edition」を新パッケージとして発売したモデルです。
音質の検証では、低音にほどよい厚みがあったほか、歌声がナチュラルで聴きやすいと感じました。ボーカルが張り上げたときでもキツさを感じず、声のディテールまでしっかりと表現。もともとモニタリング用として作られているので、楽曲を構成する音を分析的に捉えられます。
また、遠くまで自然に広がっていくような音で、臨場感も十分。音の特性がフラットで、すべての音を余すことなく捉え、強調せずに丁寧に鳴らすことに注力しています。聴きやすく、音の特性を捉えやすいイヤホンといえるでしょう。
機能面では、ケーブルの取り外しができて、断線しても交換できるのが便利。また、内部に針金がある耳掛けタイプを採用しています。そのためイヤホンをしっかりと固定できるので遮音性が高く、より没入感のあるサウンドを楽しめる商品です。