ドッグフードの正しい与え方
ドッグフードは、適切な与え方をしないと、
下痢・嘔吐などの症状が見られたり、肥満や痩せすぎ、病気の原因となるため、正しい与え方を知っておくことが大切です。
ドッグフードの切り替え方
ドッグフードを切り替える際は、
新しいフードを1日1割程度混ぜていき、様子をみながら10日程度かけて新しいフードに移行します。
■ドッグフードの切り替え方
切り替え日数 |
新しいフードの量 |
1日 |
10%程度 |
2日 |
20%程度 |
3日 |
30%程度 |
4日 |
40%程度 |
5日 |
50%程度 |
6日 |
60%程度 |
7日 |
70%程度 |
8日 |
80%程度 |
9日 |
90%程度 |
10日 |
100% |
上記はあくまで目安なので、お腹がデリケートな犬や食が細く新しいフードを混ぜてもあまり食べない犬などは、上記よりも少ない量で長い時間をかけて切り替えても問題ありません。
逆に、療法食への変更やアレルギーでフードを変更する際などは、獣医師に相談のうえ、切り替えの期間を縮める場合もあります。愛犬に合わせて行いましょう。
なお、ドッグフードを切り替え終わってからも、1ヶ月程度は愛犬の便や皮膚、体調に変化がないかよく見ていてください。「ドッグフードが合っているか判断する方法」でポイントを確認できます。
また、子犬用フードから成犬用フードへ変更する際は「子犬のドッグフードの与え方」をご覧ください。
子犬のドッグフードの与え方
子犬期は、離乳〜生後3ヶ月頃まではふやかしたドッグフードのような柔らかい食事を離乳食として与えます。乳歯が生え揃う生後4ヶ月頃からは、徐々に固いものを噛み砕けるようになってくるため、カリカリの状態のドライフードを与えるのが一般的です。
また、子犬の未発達の消化器官に負担がかからないように、
月齢の進み具合を目安に給餌回数を変更する必要があります。
■子犬の給餌回数の目安
月齢 |
給餌回数 |
生後2〜3ヶ月 |
3〜5回 |
生後4〜6ヶ月 |
3〜4回 |
生後6ヶ月〜1才 |
3〜2回 |
1才以降 |
2回 |
ただし、上記はあくまで目安のため、給餌回数を変更した後は、愛犬の様子をよく確認し、便の異常や嘔吐がないか、お腹を空かせてよく鳴くことがないか、注意してください。もし異変があれば、以前の回数に戻しながら調整してください。
また、子犬用のドッグフードは体をつくるための栄養バランスになっているため、
成長が落ち着いた段階で成犬用へ切り替えなければなりません。成犬になってからも子犬用のフードを与えていると、栄養過多となり、肥満や骨の成長異常の原因になります。
子犬用から成犬用のフードに切り替えるタイミングは、犬種によって異なるため以下を参考にしてください。
■子犬用から成犬用へ切り替えるタイミング
犬種 |
切り替え時期の目安 |
超小型犬
(成犬時の体重が4kg以下程度) |
生後9ヶ月ごろ |
小型犬
(成犬時の体重が10kg以下程度) |
生後10ヶ月ごろ |
中型犬
(成犬時の体重が25kg以下程度) |
生後12ヶ月ごろ |
大型犬
(成犬時の体重が40kg以下程度) |
生後16ヶ月ごろ |
超大型犬
(成犬時の体重が40kg以上程度) |
生後18ヶ月ごろ |
成犬のドッグフードの与え方
成犬期の犬には、
基本的に1日2回、朝と夜に愛犬に合った給餌量のドッグフードを与えます。ドライ・ウェット・手作り・フリーズドライなど愛犬の体質や好みに合わせて選んでください。
ただし、去勢や避妊手術をすると太りやすくなる犬が多いので、健康的な体型を維持するために、適正な給餌量・運動量を守る必要があります。
おやつを与えたりトッピングをする場合は、1日の総摂取カロリーをオーバーしないように給餌量を調整しましょう。「トッピングの仕方」も合わせて参考にしてください。
成犬期には、子犬期には分からなかったような愛犬の体質も見えてくるようになります。痩せやすい・お腹を壊しやすい・涙やけがある・少食など、ドッグフードが関係することもある悩みは多いので、愛犬に合うドッグフードを探していきましょう。
また、食物アレルギー対策や食べ飽き防止対策として、
3〜4種類程度のドッグフードをローテーションして与えるのもおすすめです。
老犬のドッグフードの与え方
犬は一般的に7歳を超えると老犬期に入ると言われるため、老犬期は
老犬用のドッグフードを朝と夜の1日2回与えましょう。
老犬用のドッグフードは、体の様々な機能が衰えてくる老犬期をサポートする栄養バランスになっているため、老犬になっても成犬用のフードを与えていると、内臓に負担をかけたり肥満になる可能性があります。
また、老犬は加齢や病気など様々な原因から食欲が低下しやすため、食いつきを良くしたり食べやすくしてあげる工夫が必要です。
食事量や回数を見直したり、ドッグフードをふやかしたり、市販の手作りフードやウェットフードなどを愛犬の好みや体調に合わせて活用しましょう。
さらに年齢を重ねてシニアステージが進んでくると、自分で食事をすることが徐々に難しくなってくるため、飼い主さんの食事介助が必要になります。
ドライフードとウェットフードの正しい保存方法
ドッグフードは、開封して空気に触れると徐々に鮮度が落ち、品質や味が変化していきます。
これを「酸化」と言い、酸化したドッグフードは本来の味や栄養価が期待できません。愛犬がご飯を食べない原因となったり、皮膚トラブルなどの原因につながることもあります。
そのため、開封後は必ず
フードの形状(ドライやウェット)に合わせた正しい方法で密封保存し、できるだけ酸化を遅らせましょう。
なお、ドッグフードのパッケージには賞味期限として、半年~1年ほどの保存可能な期間が記載されていますが、賞味期限はあくまでも未開封時の期限日です。早めに消費するようにしてください。
袋を開けたばかりのフードなら食べる場合は、開封したら小分けして冷暗所に保存をするなど、ドッグフードの管理を見直してみるといいですよ。
ドライフードの保存方法
ドライフードはチャック付きの袋で販売されているものが多いですが、毎日開け閉めすることで徐々に空気が入りやすくなります。
また、
自然由来の保存料を使用したフードや、オメガ3のような酸化しやすい脂肪を多く含むフードは、開封後の保存管理に特に注意しなければなりません。
品質にこだわったフードを購入するのであれば、保存方法にもこだわりましょう。密封容器を使ったり、1回分ごとに小分けにし、高温多湿を避けた冷暗所で保存してください。
冷蔵庫での保管はカビの原因となるためおすすめできません。開封後はできるだけ2週間以内に与え切るようにしましょう。
愛犬がドッグフードを食べない!食いつきが悪い時は与え方を見直そう
愛犬が
ご飯を食べなくなる最も多い原因は、おやつや人の食事の味を知ったことによるわがままです。わがままへの対処法は、「今食べなければ食べられない」としつけで教えてあげることが1番です。
■わがままで食べないときのしつけ
・フードを出して30分程待ち、食べなければ下げる
・次の食事までおやつも与えない
・出されたものをすぐに食べるようになるまで繰り返し続ける
この他にも、犬は病気やストレス、食事をする環境が良くない、給餌量が合っていないなど様々な理由からご飯を食べなくなることがあります。
その時は、まず「ドッグフードの正しい与え方」を参考に愛犬に適正な給餌量を与えられているか確認してみましょう。
それでも食べてくれないときは、「美味しく食べてもらうふやかし方」をチェックしてフードをふやかしてみてください。
A.ドッグフードを変更した後に、便や皮膚被毛の異常・涙や目ヤニの増加・耳の汚れや赤み・嘔吐などがある場合は、フードが体質に合っていない可能性があります。
また食いつきが悪くなることもありますが、フードと体質の相性は食いつきのみで判断しないようにしましょう。
■フード変更後の体調チェックリスト
・便の状態
◯ティッシュでつかんでも形が崩れない程度の柔らかさ
×ティッシュでつかめないくらいの軟便、下痢、固すぎる、強すぎる臭い
・皮膚被毛の状態
◯赤みやフケ、湿疹などがなく毛ヅヤがいい
×赤みやフケ、湿疹、かゆみなどがあり毛がパサパサ
・目元の状態
◯涙が過剰に出ていない、生き生きとした目
×涙やけがある、目ヤニが多い
・耳の状態
◯汚れや赤みがない綺麗な状態
×汚れや赤み、臭い、腫れなどがある
上記を参考に、フードの変更後1ヶ月程度は様子を見ていてあげてください。
まとめ
この記事は、犬の管理栄養士とペットフード安全管理者の資格を持つ私が、本当に
わんちゃんと飼い主さんにぴったりのドッグフードが見つかるランキングをつくりたいという思いから執筆しました。
独自の徹底検証と獣医師の辛口評価のもと決定したランキングなので、比較的安いもの、病気をサポートできるもの、獣医師の評価が高いものなど、お探しのフードがきっと見つかりますよ。
飼い主さんの重視するポイントで納得いくまで比較検討してみてくださいね。